消しゴム版画とは
消しゴム版画は消しゴム板を版の材料とする凸版画です。木版画など凸版画と同様の技法を用いて作成しますが、インクには木版画は絵具を中心に使用することに対し、消しゴム版画ではスタンプインクを中心に使用します。英語ではイレイサープリント(eraser print)、イレイサーカットプリント(eraser cut print)とも呼ばれています。
消しゴムはんことの違い
制作工程や使用する道具が似ている消しゴム版画と消しゴムはんこ。消しゴムスタンプや消しゴム印など様々な呼び方があり、かつてはほぼ同じものとして定義されていた時代がありましたが、現在はそれぞれが明確に定義が分かれています。厳密には「消しゴム版画」と「消しゴムはんこ・消しゴムスタンプ・消しゴム印」に大別されます。
形状が同じでも「捺す」か「摺る」かで呼び方が変わる
現在は彫った消しゴムをスタンプとしてインクをつけて紙などの上に「捺す(押す)」ものを「消しゴムはんこ」「消しゴムスタンプ」「消しゴム印」「イレイサースタンプ」、彫った消しゴムを版画としてインクをつけて紙を乗せて上から「摺る(刷る)」ものを「消しゴム版画」「イレイサープリント」と定義されています。消しゴムを彫った形状が同じでも、手に持って上から捺せば「消しゴムはんこ・消しゴムスタンプ・消しゴム印・イレイサースタンプ」と呼び、消しゴムを下に置いてインクをつけ紙を乗せて摺れば「消しゴム版画・イレイサープリント」と呼びます。
消しゴム版画
消しゴムを彫った面を上に向けて置き、インクをつけて消しゴムの上に紙を置いて「摺る(刷る)」ものを「消しゴム版画」といいます。彫った消しゴムは「版」と呼び、凸版画の技法を元に楽しみます。英語圏では「Eraser Print」または「Erasercut Print」とも呼ばれています。
消しゴムはんこ・消しゴムスタンプ・消しゴム印
彫った消しゴムを手に持って、インクをつけて「捺す(押す)」ものを「消しゴムはんこ」および「消しゴムスタンプ」「消しゴム印」といいます。彫った消しゴムは「はんこ」「スタンプ」「印」と呼び、スタンプアートの技法を元に楽しみます。国際的な呼称としては英語圏では「Eraser Stamp」、中華圏では「橡皮章」と呼ばれています。